近年タウンページの廃止が決定し、またスマホの普及にともないハチの巣駆除を依頼する際に現在では多くの人が利用するのがインターネット検索です。
そのインターネット検索における業者選びの問題点やハチ駆除業界の現状と対策、自分で出来る対処の方法などについて、現役のハチ駆除屋さんが忖度なしにお伝えします。
後で大変な目に遭わないように、まずは一読していただくことを強くおすすめします。
ハチ駆除業界に潜む問題
問題その1、知識と経験の少ない業者が来た!
問題その1
知識と経験の少ない業者が来た!
インターネット検索による業者選びの問題点はいくつかありますが、
ひとつは知識と経験の少ない業者が来るリスクがあるということです。
ハチ駆除のシーズンというのは長くても半年ほどしかないのでハチ駆除だけでその会社の事業が成り立つというのは難しいという事がひとつ理由としてあります。
そのためハチの駆除専門で行っている業者は極めて少ない上、副業でハチの巣駆除を行っている方が数多く存在します。
かくいう私もオフシーズンは鍵屋事業を行なっております。
またコアシーズンになると依頼が集中するため人員不足になり、外部に業務委託することやアルバイトを雇用することがあるので知識不足、経験不足の駆除業者が訪問してくることが往々にしてあります。
ちゃんとした防護服さえあれば駆除作業自体は実は難しいものではなく、テレビタレントだったりほとんど素人のような方でも出来てしまいます。
しかしプロはスズメバチをほとんど刺激せずに安全に駆除します。
つまり警戒させてハチが巣からたくさん出てきてそこらじゅうを飛び回るような興奮状態にしてしまうと周囲を危険にさらすリスクがあります。
そこで素早く安全に確実な方法で駆除するのがプロの腕の見せ所です。
また駆除に使用する殺虫剤や駆除の方法を間違えれば命にかかわる事でもあるので絶対に気を付けていただきたいポイントです。事前にコンタクトが取れるのであれば色々と聞いたり調べたりしておくことを心がけましょう。
問題その2、高額請求なんてほんとにあるの!?
問題その2
高額請求なんてほんとにあるの!?
それから度々テレビのニュースでも問題になっている不当な高額請求についてですが、ハチの巣駆除においては相場がわかりづらいことが関係します。
ハチの巣駆除という仕事は実はそんなに歴史あるものではなく、ごく最近耳にするようになってきた仕事です。
なのでハチの巣駆除にあまり縁がない方もまだまだたくさんおられます。
ですから相場といってもあまりイメージがつきにくく、不当な高額請求とまではいかなくとも高い金額を請求されることが往々にしてあります。
たしかに命にかかわるリスクのある業種であることは間違いありませんが、養蜂用の簡易的な防護服であったり海外製の安い防護服であれば別ですが、現代の防護服はちゃんとしたものをちゃんと着ていればまず刺される事はありません。
それよりは依頼者さんや防護服を着ていない周囲の方が刺されたりしないように気を配る必要があります。
また高所作業や屋根裏などの危険作業がともなったり、駆除後に巣が再発する場合もあります。やってみるとわかりますが、真夏の灼熱の中サウナスーツを着てかなりの重労働です。当然、長くやっていればいつかは刺される事もあります。運良くアナフィラキシーショックは出ませんでしたが、私もたくさん刺されました。なのでかなり大変な作業だということはご理解していただきたいところではありますが、本来そこまで高額であるはずがないのです。
リスクがある事を加味しても他にお金がかかるといえば人件費と薬剤や消耗品にかかる経費くらいです。
しかし高額な請求になる理由としてもう一つ挙げられるのは広告代理店(仲介業者)の存在です。
ハチ駆除業界の現状と対策
インターネット検索で依頼ってやめたほうがいいの?
インターネット検索で依頼って
やめたほうがいいの?
やめた方がいいというわけではありませんが、インターネット上には全国展開している大手広告代理店が運営するサイトが数多く存在します。
しかもそういった駆除業者のサイトは運営元が同じで複数存在する事もよくあります。
他のサイトに電話したつもりなのに入口が違うだけで結局は同じところへ重複で依頼するという事になるので、相見積もり自体に意味がなかったりする可能性も含んでいます。
大手広告代理店が運営するサイトは全国から受けた依頼を各県の協力店へ業務委託という形で依頼、もしくは依頼を1件いくらで販売します。
当然ながら実際に作業を行うのはその業務委託された協力店なので、運営元の広告代理店は何かあっても一切責任を負う事はせず、法律上、協力店に対して金額をいくらにしなさいという指示や強制は出来ないのです。
そういった理由から高額請求を行う業者は後を絶たないのが現状です。
さらに競争の激化にともない紹介手数料は上がり続け、受注の多い高額なところでは60%ほどの手数料が必要な場合もあり、60%でないにしろ広告代理店と協力店の間にさらに別の仲介業者を挟む場合がほとんどなので、実際の末端作業員が得る対価は20%から良くて40%が相場です。
そうなった場合、たとえばスズメバチの駆除で料金が33,000円だったとしましょう。
末端作業員が得られる対価は良くてその3分の1の11,000円です。もちろんそこから交通費や薬剤代などの経費を引くので危険な思いをしてようやく数千円の利益が得られるという状態です。
したがって必然的に高額な請求金額が当たり前になるわけです。
そのうえ業務委託契約をする際は全国の協力店を募集するので、基本的に全てリモートです。
良くてせいぜいZOOMなどで最初だけ顔合わせするところがあるくらいです。
そういった理由から極端な話、どんな悪質な業者でも訪問してくる可能性があり、サイトに書かれている事と内容が違ったりする場合も起こり得るのでそういうリスクを含んでいることを知っておきましょう。
じゃあどうすればいいの?自分でできる範囲の線引きは?
じゃあどうすればいいの?
自分でできる範囲の線引きは?
まず一番の理想を言えば巣を作らせないことです。
もっともハチの巣が出来やすい時期は6、7月なのでこの時期に週に1回でも家の周りをぐるっと確認しましょう。
この時期はどこにでもハチが飛んでいますが、頻繁に行ったり来たりしている場合は巣がある可能性が高いです。
巣が2、3センチほどの小さい状態であればまだハチの数も少なく、市販のジェットスプレーなどで遠くから安全に駆除する事ができます。
ハチが複数匹いる場合は危ないのでやめたほうがいいですが、営巣を予防する効果のあるスプレーなども販売されていますので、それらを併用し見回りを定期的にすることでかなりのハチの営巣を防ぐ事ができます。
安全に依頼するためには?業者選びのポイント
安全に依頼するためには?
業者選びのポイント
業者に依頼する場合は地元の駆除業者さんに直接依頼することをおすすめします。
そのためにもっとも確実な方法はマップで駆除業者を検索することです。Googleマップなどの地図アプリはその地域の実在する業者さんのみが表示されます。
さらに口コミなどで評価を確認することが出来るので安心です。
しかし駆除のコアシーズン(7〜9月)になるとなかなか予約が取れない場合もありますので自治体に相談するのも良いでしょう。
自治体にはそれぞれ補助制度などがあり、指定業者を紹介してくれる場合もあります。
また、インターネットで検索する場合はサイトに書かれてある住所を必ず確認しましょう。
その地域に実在する業者さんであれば広告代理店を経由することなく依頼する事が出来ます。
フリーダイヤルやコールセンターは要注意です。全国から依頼を集めている場合コールセンターが必須になり、金額の事を聞いてもお伺いする作業員に聞いてみないと分からないと答えられます。
紹介された作業員の方に聞いてもまず電話口では答えたがらない場合がほとんどで、金額をWebサイトなどで明示していない、もしくは3,300円〜などアバウトな表記はほぼ高額請求と思って間違いないです。
要点まとめ
- 依頼する業者によっては知識と経験不足の作業員が来る可能性がある
- 広告代理店や仲介業者を挟むと料金が高額になる
- 巣を作らせない事が一番大事
- 業者に依頼するならマップを利用するか自治体に相談
- インターネットで業者に依頼するなら所在地を確認